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INTERVIEW NO.1

「伝統と革新とは表裏一体のもの。
アンチテーゼや反対語ではなく
伝統のもとに革新がある。」

文斎窯 六代目 小川文斎

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初代小川文斎は文化六年、加賀国能美群若杉村に生まれる。
通称を文助、名を久右衛門、陶号を文斎とした。
年少の頃より製陶を志し、
文政年間には諸国の陶業地を巡歴して、
製陶技術をはじめ窯焼や築窯法を伝習する。
とくに陶窯築造の術に精通したといわれる。
奈良県鹿背山にて創業。

1873年 明治6年 京都創業
1883年 明治16年9月5日 偉随入
1887年 明治20年7月29日 二代目鉄之助 偉法入
1939年 昭和14年8月26日 三代目卯之助 偉願入
戦死 戒名 誠忠釋特斎
1975年 昭和50年3月10日 四代目文三
    戒名 唯明院釋文晃
2012年 平成24年11月12日 五代目欣二
    戒名 法響院釋聞斎

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町衆の息遣いも楽しめば、
さらに楽しめるまち

伊崎屋半兵衛:本日はお忙しい所にも関わらずお時間を頂戴しありがとうございます。

小川文斎  :今日は寒いですね。工房は少し冷えますがご容赦ください。

半兵衛   :140年以上にもわたる歴史の中から見た今後の京都についてお考えをお聞かせ下さい。

小川文斎  :観光客も増えてとても喜ばしく感じるとともに、伝統産業の一端を担う立場としても
       とてもありがたく感じます。
       しかしながら、昨今のホテルやゲストハウスの建築ラッシュには少し戸惑うところもあります。

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半兵衛   :大切なもの。ここに住み暮らすものの息遣いや心といったものが蔑ろにされていないか?
       ということでしょうか。

小川文斎  :そういう事です。例えば祇園祭を挙げてみれば先祭、後祭にばかり目が行きます。
       しかし半兵衛さんもご存じとは思いますが、鉾町の皆さんがお祭りの時だけではなく
       会所でお囃子の練習をされていますよね。

半兵衛   :はい、時期を問わずまちを歩いているときにふと聞こえてくることがあります。

小川文斎  :そう。何とも言えず風情を感じる瞬間ですよね。
       来られる方にはそういったものも含めて感じてほしいと思います。
       そもそも京都というまちは古来より商業都市としての側面も非常に強かった。
       町衆の息遣いも楽しんでいただければさらに楽しめるまちであると感じます。

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今までの礎の上に積み上げていくことが
文化として
正しい成長

半兵衛   :50年後100年後の京都の文化に期待されることは何ですか。

小川文斎  :取り返しのつかない大きな何かが起こりゼロベースから新たなものを始めるのではなくて、
       今までの礎の上に積み上げていくことが文化として正しい成長のように感じます。
       例えば今も昔も変わらない居酒屋さんだけど、違う点といえば私たちはタブレットで注文をして
       スマートフォンを片手に楽しい時間を過ごすわけです。
       それに代わる楽しい何かが今後もきっと生まれていくと思います。

半兵衛   :非常にわかりやすい例えですね。
       つまり未来を創る伝統と革新は違うものでは無いということですね。

小川文斎  :伝統と革新とは表裏一体のものであり、
       アンチテーゼや反対語ではなく伝統のもとに革新があるということを
       確りと踏まえて歩みを進めていくことが大切であると考えています。

半兵衛   :本日はありがとうございました。

小川文斎  :ありがとうございました。

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